2017-10

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出来事の後

一瞬の出来事だった。

目の前で起きたことを把握することも、その場の情景を記憶として頭に入れることすらできないくらいの速さの出来事。
ロイスは瞬きせずに目を見開き、崩れるように床へ倒れる母親をただ見ることしかできない。

「・・・・あっ」

と小さく声が出るか出ないかと同時に、後ろから兄であるアーロンに抱きかかえられる。離れの小屋から屋敷までロイスを抱いたまま走る彼を、執事、チャールズが迎え入れた。


「さぁ坊ちゃま。お洋服が汚れてしまいましたな。着替えをお持ちいたします。」


未だ放心状態で頷くこともできないロイスをバスルームにおろしたアーロンに、チャールズが「こちらへ」と部屋を出るよう声をかける。


「アーロン様、すぐに荷造りを・・・馬車は既に手配済みでございます。準備が出来次第、ロイス坊ちゃんを連れてヴェス様のところへ。」

アーロンは静かに頷き、足早に自室へと戻った。


「坊ちゃま、準備ができましたら、アーロン様と少し長旅ですぞ。」

すばやく服を脱がせ、濡れたタオルでロイスの顔や体を拭きながら声をかける。

「ヴェス様はとても優しいお方です。」

70歳前後の執事は、ロイスの身支度を手馴れた手つきで進めながら、それから・・・と話を続けようとロイスへ目線を落とした。

あの出来事が起こってから幾らか時間が経っている今も、表情一つ変えずに上の空なロイス。
彼の前に膝を折り、目線を合わせたチャールズがこう言った。


「坊ちゃま、貴方は何も悪くありません。どうか、それだけは忘れずに。」


* * * * *


ロイスが出てきた当初、よく「ぼくは何も悪くない」と呟いていたのはチャールズさんの言葉かなぁと。
チャールズさんの他に庭師とお手伝いさんがいたのですが、どちらもこの出来事が起こる少し前に「身の安全」として解雇した感じがします。
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